植毛するとすぐに抜けてしまうって本当?

筆者は知人からこんな質問をされました。「植毛するとすぐに植えた髪は抜けてしまうって聞いたけど、本当なの?」といった感じですが、たしかにそういった話を聞いたことは筆者にもありました。

高いお金を払ってまで手術をしても、すぐに抜けてしまうのであれば意味がないように思います。では、実情としてはどうなのでしょうか。

自毛植毛の場合はすぐに抜ける

植毛する場合、その髪が自分の髪であるか人工的に作られた毛髪であるかの違いで、抜けやすさに違いがあります。

抜けやすさ、早さで言えば、自毛を植毛する方が圧倒的に早いです。目安で言えば、だいたい1ヶ月前後で植毛した髪は抜け落ちてしまいます。

自毛植毛には保険が利かず、莫大な医療費を必要とするのに、たった1ヶ月で抜けてしまっては全く意味がありません。

しかし、これはある意味で当然なことなのです。詳しく解説すれば、自毛植毛の場合は移植するのは髪の毛だけではなく、その髪の毛を作り出している毛母細胞や毛乳頭を含む毛穴全体を移植する形になります。

さて、髪の毛だけでなく、私たちの全身に生えている体毛というものには「毛周期・ヘアサイクル」というものが存在します。

これは簡単に言えば「毛が生える⇒毛が衰える⇒抜ける⇒また生える」というサイクルを繰り返すものであり、前述のとおり毛が抜け落ちることも毛周期には最初から組み込まれているのです。

成長期において育った髪の毛は退行期において徐々に細くなり、抜け落ちて休止期を迎えて再び成長期に髪の毛を育てていきます。

自毛植毛で髪が抜け落ちるのは、このサイクルの一環であり、言い換えれば新しく髪の毛を生やすための準備とも言えるのです。

これは髪が育つ原理が毛根にあるのではなく、毛穴の中の毛乳頭と毛母細胞によるものであることに由来します。毛根はそれ単体で髪を育てられるものではなく、毛母細胞の細胞分裂によって徐々に髪が毛穴から押し出されることで髪は育っていくのです。

毛穴ごと移植する自毛植毛の場合、髪を植え替えるだけでなく、そこに新しく髪を育てるための土台を作り上げることになるのです。

髪の毛の毛周期は他の体毛に比べて長く、生え揃うのには時間がかかるでしょうが、以降は洗髪などの手入れ以外にはランニングコストがかからないという特徴があります。

人工毛植毛の場合は抜け落ちたらそれまで

事項毛植毛の場合、移植するのは主に合成繊維で作られた髪の毛です。人工物であるとは言え、最近の人工毛は普通の髪の毛と見分けが付かないくらいに精巧です。

そのため、人工毛とは言え、比較的自然な仕上がりとなります。

しかしながら、前述のとおり髪が育つのは毛母細胞の細胞分裂によるものなので、合成繊維の人工毛にそのような仕組みは存在せず、髪が伸びることはありません。

言ってしまえば、脱着不可能なウィッグのようなものであると言えます。

しかし、脱着できない人工毛も、永久に頭皮に植え付けられるかといえばその限りではないのです。それどころか、経年変化による頭皮の伸縮に人工毛はついて行けず、しかも人工毛を異物と認識する免疫の働きによって人工毛は抜けやすい傾向にあります。目安としては1年で半分残れば良い方ではないでしょうか。

抜けた分だけまた薄毛が目立つわけですから、再び植毛しなければ人工毛はどんどん抜けていきます。

最終的にはメンテナンスをしなければ数年で元通りです。メンテナンスにはもちろんお金が掛かるのですから、ランニングコストは決して安くないでしょう。

皆さんは花畑を作るときに花の種を植えるのと造花を植えるのと、どちらが良いと考えますか?

造花であれば一瞬のうちに見事な花畑が完成するでしょうが、維持のためにはこまめに手入れしなければ造花もいつかは朽ちてしまうでしょう。

種から育てれば例え花が枯れても種からまた花が育ちます。植毛においても同様で、即効性を求めるのであれば人工毛植毛は有効ですが、長いスパンで薄毛対策をしたいのであれば自毛植毛がお勧めなのです。

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